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Greeting-ごあいさつ

京都大学の知を企業と実用化により、社会に貢献を

京都大学学長 山極壽一

京都大学は1897年の創立以来、「自重自敬」の精神に基づき自由な学風を育み、創造的な学問の世界を切り開いてきました。今後とも静謐な研究環境を研究者に提供し、人類の知の地平線を拡張することは変わらない重要な目標です。一方、わが国では少子高齢化、総人口の減少、特に労働人口の激減、さらに産業構造の変化による既存産業の衰退と、厳しい未来が訪れると予想されています。このように大学を取り囲む環境が変化し、大学に求められる役割もおのずと変わってきています。わが国が直面する難題に立ち向かうことができる想像力と実践力を持った人材を育てることも大学に求められる重要な役割です。

京都大学には2700人余りの教員が在籍し、一組織体としてはわが国で1,2を争う多数の研究者を有しています。
幸いにも文部科学省により企画された「革新的イノベーション創出プログラム(Center of Innovation Stream/COI)」に2013年に本学からの提案が採択されました。教員にとっては基礎研究を実用化するまたとない環境、また、学生にとっては産学官連携の研究・開発を経験することで、社会を大きく変えるイノベーション創出、また、グローバルに活躍できる人材育成の場が提供されたと言えるでしょう。このようにCOIプログラムは教員また学生に従来の大学にはない貴重な機会を与える取り組みであると考えています。

2019年からフェーズ3に入りました。フェーズ3ではフェーズ1、2の実績を踏まえてさらに発展されることを期待すると共に、京都大学の知を企業と一緒に実用化することにより、社会に貢献してもらいたいと思います。

取り組みの選択と集中で社会変革の実現を目指す

パナソニック株式会社 野村剛

平成25年より開始された「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」において、京都大学が目指す、「活力ある生涯のためのLast5Xイノベーション」が拠点として採用され、フェーズ1(平成25~27年)、フェーズ2(平成28年~30年)が終わり、いよいよ、最終フェーズである、フェーズ3(平成31年/令和1年~3年)が始まりました。

本拠点では、人が生涯にわたって尊厳を保ち、社会の一員として充実感を得ながら挑戦できる「しなやかほっこり社会」を実現するために、フェーズ1では、「コードレスな電力伝送」と高度ICTが支える「安心生活センサーネットワーク」、「予防・先制医療及び先端医療」、「ほっこりコミュニティ構築」の4分野に取り組んできました。新たな産業を創生するとともに、企業と大学が、実現すべき社会構造の夢を共有し、バックキャスト型で、京都大学、京都工芸繊維大学、のべ64の参画企業、京都府、京都市、精華町が国際イノベーション棟の下、アンダーワンルーフで開発を進めてきました。この間、多くの成果が得られ、一部は、社会実装として、巣立っていきました。

フェーズ2では、社会課題である、少子化対策を一層充実させるために、これまでの取り組みの選択と集中を行うとともに、社会実装に向けて、実証フィールドとして、京都府精華町と、包括連携協定をむすび、「女性とこどものこころとからだの健康サポート」「ヘルスケア」「災害インフラ」の3分野に選択と集中を行い、社会変革が実現できるよう、取り組みました。

フェーズ3では、フェーズ2で行ってきた、3分野において、卒業するテーマ、新たなに参画するテーマなど、新陳代謝を図るとともに、実証フィールドを活用しつつ、COIストリームの目標である、社会実装にむけて、一層、気を引き締めて、取り組むとともに、社会変革を行うために、規制緩和への法改正に向けて国への働きかけをしていく予定です。

今後とも、文部科学省、科学技術振興機構、自治体、大学の研究者および、参画企業の支援を賜り、本プログラムの成功に向けて取り組む所存です。変わらずの、ご支援をお願いいたします。

重点を定めてイノベーション創出を加速

京都大学 特定教授 小寺秀俊

平成25年度に採択を受けてスタートした本学のCOI拠点「活力ある生涯のためのLast 5Xイノベーション拠点」は約40社の民間企業と京都府・京都市・精華町及び京都工芸繊維大学からなる産公学で研究開発を進めてきました。この間、6つの課題は開発が順調に進み社会実証を行い、また、3つの課題は国の支援の必要な段階が終了し、自社費用での開発に進むためCOI拠点から卒業いたしました。
これまでの4年間では、国の特区制度を利用して精華町に開発品の実証フィールドの形成を行いました。
このように、平成25~28年度の第1フェーズにおいては、参画研究者と企業が協業して、予想以上の多くの成果を挙げることができました。
ご支援いただいている政府、文科省、JST、自治体と大学の研究者および参画企業に感謝いたします。

さて、平成28年には中間評価が行われ、その結果を反映して平成29年度からは第2フェーズに入りました。
第2フェーズの開始においては、ビジョナリーチーム(松田譲ビジョン1リーダー)との進め方(主に研究・課題の重点領域)の協議を踏まえ、世界の動きの速さ、IOTやビッグデータを取り巻く社会情勢と科学技術への第5次科学技術基本計画におけるSociety5.0などを考慮しました。
その結果、これまでのCOI拠点における研究開発とそれに基づくイノベーション創出を加速するとともに、ビジョン1の大課題であり本拠点で進めてきた「少子高齢化先進国としての持続性確保」をさらに展開するため、重点を「1.女性とこどものこころとからだの健康サポート、2.ヘルスケア、3.災害インフラ」の3分野に定めることになりました。

今後とも変わらずのご支援をいただけますようお願い申し上げます。

京都大学COIへの期待

京都府知事 西脇隆俊

京都という地域は、京都大学をはじめとする最先端の大学・研究機関や、優れた技術を有する企業が多数集積しており、これらが活力の源泉となって、地域社会の発展や経済活性化に貢献いただくことにより、発展してまいり ました。

平成25年、産学関係機関の皆様方とともに、京都府も参画したCOI(センター・オブ・イノベーション)プログラムは、フェーズ2(平成28年度~30年度)が終了し、いよいよ最終のフェーズ3へと進んでいきます。「しなやか ほっこり社会」の実現という10年後の目指すべき社会を見据えてスタートした本プログラムに基づき、これまでの取組からコードレス、センサー、ICT等の技術を生かしたサービスや製品などの研究成果が生まれつつあります。これらの研究成果が、やがて私たちの実生活に取り入れられ、誰もがいきいきとした暮らしが実現できる「スマート社会」がいよいよ間近に近づきつつあり、その実現に向けて、京都大学COIが本取組を通じて多大な貢献をいただいていることについて感謝申し上げます。

さて、フェーズ3の研究開発テーマである「女性と子どものこころとからだの健康サポート」は、AIやセンサーを活用した妊産婦や育児のトータルサポートを展開し、「ヘルスケア」では、スマート栄養食や歩行学習支援ロボットの開発を行うものであり、少子・高齢化時代に突入した我が国において、さらには、「子育て環境日本一」を目指す京都府においても社会環境の改善につながる大変重要な取組であります。また、「災害インフラ」では、最近の異常気象等による大規模災害の頻発を踏まえ、緊急時にも電源供給できるシステムなど、府民の安全・安心を守るための研究開発に取り組まれることとされており、これらフェーズ3の今後の展開に大いに期待しております。

京都府としても、京都経済センターやけいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)、国家戦略特区等を活用したスタートアップの支援や産学公連携による先端技術の社会実装等、京都大学をはじめ大学・研究機関・企業等と連携し、日本・京都から世界最速のイノベーション創出、という夢が一日も早く実現するよう、これまで以上に尽力してまいります。 10年後、20年後の日本・京都のさらなる発展のため、皆様方のお力添えをどうぞよろしくお願いいたします。

絶えず従来にないものを生み出してきた京都

京都市長 門川大作

「未来を予測する最善の方法は、自らそれを創ることだ」。 「パーソナルコンピューティングの父」と言われ、京都大学の名誉博士号をお持ちの科学者アラン・ケイ氏の言葉です。まさにその言葉のように、我が国の未来の創出に果敢に挑む「革新的イノベーション創出プログラム(Center of Innovation Stream/COI)」の拠点の一つとして京都大学が選ばれ、未来に向けた研究開発を進めておられることは、誠に誇らしく心強い限りです。

生き生きと元気に、充実した生活を送りたい。それは、誰しもが抱く願いだと思います。その願いにしっかりと応える社会の実現に向けて、大学、企業、そして本市を含めた行政の連携の下、現状の社会システムにおける課題解決を目指し、技術革新が進められることの意義は極めて大きいと存じます。

高度な技術を駆使して独自の強みを発揮する企業と、優れた成果を積み重ねる大学・研究機関が集積し、それらの融合によって新しいものを生み出してきた京都。そんな京都のまちでのこの意欲的な挑戦が、日本の明るい未来を拓くイノベーションを起こすことを心から願っています。

本市といたしましても、京都大学内に設置した「京都市ライフイノベーション創出支援センター」におけるライフサイエンス関連産業の振興に向けた取組をはじめ、関係者の皆様と共により良い社会を築くための技術革新に全力を尽くしてまいります。

京都大学COIとの連携協力包括協定による新たな挑戦へ

精華町長 杉浦正省

精華町は、平成28年4月より京都大学COI拠点に参画して以後、この間、国家戦略特区を活用した無線電力伝送の実証実験などをはじめとする個別分野において、連携を図ってまいりました。 京都大学COI拠点が目指しておられる「女性とこどものこころとからだの健康サポート」、「ヘルスケア」、「災害インフラ」分野につきましては、本町でも力を入れていきたい分野と考えており、より強い継続的な協働・連携体制を築くために、平成29年7月に連携協力包括協定を締結させていただきました。

京都大学COI拠点が京都大学の知恵を企業とともに研究開発され、それを社会実装するためには、行政と連携して進めていくことが必要と考えます。

この社会実装に際して、本町の住民が最先端の新しい技術を体験したり、活用できる機会が得られ、事業化に参画できることは大変意義深いものであると思っております。 京都大学COI拠点が目指す「あらゆる人に安心をもたらす“しなやかほっこり社会”」を構築するために、精華町を挙げて協力していきたいと思います。

本町が健康長寿のまちづくりをめざして実施しております健康づくり運動「せいか365プロジェクト」とも相乗効果を発揮しまして、精華町が「しなやかほっこり社会」のモデルケースになれることを大いに期待しています。

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